はじめに
誰もが忘れている、アドカレ以外用ブログ。ひさしぶりになんかを書きます。
今日は左手デバイスを作った話です。
経緯
最近のTwi...Xくん、なんか某左手デバイスの広告漫画めっちゃ出てきてすごいな(お値段と表示頻度が...)。
テンキーでよくない?と常々思ってはいるのですが、つまみ的なサムシングでブラシサイズをよしなにやってるのは正直かなり便利そうだな、と。
ふと、遊舎工房に立ち寄った時のことを思い出しました。
.....なんか名刺サイズの入門キットにそんなのがあったような...。
...なるほど。
遊舎工房さんに行ったことがある、ということはつまりそういうことですしね。それに作ったほうがやすかろうよ。
あと、直近でこれを(途中まで)読んだりした影響もあります。
雑に作る ―電子工作で好きなものを作る近道集 | 石川 大樹, ギャル電, 藤原 麻里菜 |本 | 通販 | Amazon
肩の力を抜いて工作しようよ!というような内容です。なかでも、ギャル電氏の文章はなんかうっかりやってみようかな、という気持ちになれて非常に良いです。
ギャルはいい。
というわけで雑に作るわよ。
ちなみに自作キーボードは初めてです。
使用想定
クリスタでの使用を想定しました。
具体的にはiPad版クリスタで、Slide Overで資料を参照しつつ作業をしようとすると、わたしのワークスペースではツールウィンドウが全部隠れるので、よく使うツールをデバイスに割り当てたいです。
邪魔!と言いながら左右に動かす機会が減るので、きっと作業は楽になるはず。
画像を集めておいて、クリスタのサブビューで開くのでもよいですが、あっちの画像とこっちの画像とコスプレ衣装とかを見比べて総合的におそらくこの部分はこう!をずっとやらないといけないので、画像検索がすぐできる方が便利かなあ、とオタクは思っています。
事前準備
すでに生えていますが、まずはベースとなるキットを買いました。
【委託】TONE&NOTEshop.yushakobo.jp
キースイッチ・キャップを別に買う必要があるそうなので、買っておきます。前述の写真に写ってはいますが、このへんを。
で、工具も買います。
基本的に、キットのREADME.mdに書いてあるやつをそのまま買いました。ぶきっちょだから変に買って失敗するよりはね。
記載外の物品もありますが、こて台とかは、こてとセットのやつを。絶対に失敗する自信があったので、はんだ吸い取り線をハンズで買っておきました。
つくるぞ!
ブツがそろったので、もろもろガイドを参照しつつ作っていきます。
物理
まずは物理をつくります。ちなみにはんだは中学校ぶりです。
まずは、ProMicroのはんだづけから。
念のため買ったはんだ吸い取り線の出番が秒できました。
四苦八苦しながら、はんだを吸って乗せて吸って吸って吸ってしてました。
怪しいところはありますが、まあ...。と雑にすすめました。
ここにくるまでにかなり吸い取り線の扱いだけがうまくなりました。...はんだがうまくならないのが不思議。
この後はキーキャップをはめ、データ通信可能なMicroUSBをデッドストックから探し出して動作確認用のファームウェアをグリっと書き込んだりしました。
完成...?
したとおもうじゃん?
ファームウェアは、エンコーダに0,1をキーにa~hが割り当てられているのでメモ帳で実際に動作を確認してみました。
いや、いやw
肝心のロータリーエンコーダは無事に動作しているようですが、8つあるキーのうち一つしか動作してないようです。激烈にはんだできてないようですね。
分解→はんだ→動確をくりかえして、接触の怪しい部分はあるものの、なんとか7つのキーまでは動作を確認できました。
さいごのキーはちょうどこのProMicroの真裏にあるのですが、どうにもコンスルー部との距離感に不安があります。このへんがどうにかなると面倒だな~と思ったので、ここの修正はあきらめました。えげつないぶきっちょなので。あと言うほどキー使わないし...。
細かい設定
あとは、使用したいショートカットにあわせて新しいファームウェアを用意してあげればおしまいです。
手順に従ってQMK MSYSをインストール、toneのkeymaps/defaultディレクトリをコピー、keymap.cをよしなに書き換えます。
ライセンスだけ買って放置してあるPC版のクリスタでショートカット設定を確認、適宜他のショートカットとの干渉を確認しつつ割り当てます。
最終的にこんな感じ。
#include QMK_KEYBOARD_H const uint16_t PROGMEM keymaps[][MATRIX_ROWS][MATRIX_COLS] = { [0] = LAYOUT( KC_E, KC_G, KC_M, C(KC_Z), //消しゴム,塗りつぶし,選択範囲,やり直し KC_P, KC_Q, C(S(KC_A)), C(S(KC_N)) //ペン,_,回転リセット,新規レイヤー ) }; /* Rotary encoder settings */ bool encoder_update_user(uint8_t index, bool clockwise) { if (clockwise) { tap_code16(C((KC_RBRC))); //Rotary encoder clockwise ,size down } else { tap_code16(C(KC_LBRC)); //Rotary encoder Reverse clockwise ,size up } return true; }
- | 左1 | 左2 | 左3 | 左4 |
---|---|---|---|---|
上段 | E(消しゴム) | G(塗りつぶし) | M(選択範囲) | Ctrl+Z(やり直し) |
下段 | P(ペン) | Q(割当無し) | Ctrl+Shift+A(回転リセット) | Ctrl+Shift+N(新規レイヤー) |
ロータリーエンコーダ | 時計回り | 反時計回り | ||
ロータリーエンコーダ | Ctrl+](ブラシサイズ小) | Ctrl+[(ブラシサイズ大) |
割り当て無しが存在するのウケるな...。
ファームウェアの書き出しで、すんなりいかなかった部分もダイジェストしておきます。
- ブラケット([ ])はエイリアスを使用する
参考: qmk_firmware/docs/keycodes.md at master · qmk/qmk_firmware · GitHub - tap_codeにCtrlなどは使用できない
- システムコントロールなど意図しない割当がある場合rules.mkを確認・修正する
参考:qmk_firmware/docs/config_options.md at master · qmk/qmk_firmware · GitHub
最終的にiPadではCtrlではなくCommandで割り当たってたりするので、iPad側でもちょこちょこなおしたりをしました。
おわりに
さて、全部でいくらになったでしょ~か?
じゃがじゃん!(鑑定団)
項目 | お値段 |
---|---|
キーキャップ×10 | 550 |
キースイッチ×10 | 1320 |
ProMicro | 1210 |
TONE&NOTE | 3630 |
配送料 | 550 |
こて+セット | 6050 |
ニッパー | 1828 |
精密ドライバー | 1180 |
はんだ・吸い取り線 | 1256 |
総額 | 17547 |
上記以外にホームポジション的なポッチを生成するため、ダイソーでラインストーンシールを買いました。また、ケーブルも家にあったものを使用しており、お値段には含まれておりません。
ちなみに某よく広告が出てくる左手デバイスの廉価版は14000円しないくらいです。
...。
ところで、Bluetooth対応のテンキーはamazonで4000円しないくらいです。メカニカルなテンキーだと6000円ちょっとくらいっぽいです。
また、クリスタはプリセット登録したブラシサイズを大小する形でショートカット登録することができます。つまり、適切なプリセット登録さえしてあげれば全然ボタンでよい、ということですね。
つまり、結論としてキーボード作りたいオタク以外はテンキーを買え。現場からは以上です。